6月に入り首都圏や京阪神など各地で小中高校が授業を再開したが、大学の多くは立ち入りを制限し、対面授業に戻せていない。新型コロナウイルスの感染リスクが高い「3密」になりやすい授業スタイルが大きな理由だ。そんななか、「実技系」を中心に、感染対策に配慮しながら対面授業を再開する大学も出てきている。
対面の指導「何物にも代えがたい」
2台のピアノの間には、職員手作りのビニール製ついたて。教授はフェースシールドを身につけ、マスク姿の学生に指導していた。
1日、川崎市麻生区の昭和音楽大は対面授業を再開した。ピアノの個人レッスンを受けた大学院修士1年の古海行子さん(22)は「オンラインにも慣れてきたが、先生に会って指導を受けるのは何物にも代えがたい」。指導した江口文子教授も「対面では聞こえる音の質が違うし、鍵盤をたたく指のエネルギーも感じることができる。久しぶりに学生の顔を見て、すぐそばで演奏を聴けてうれしい」と語った。
同大はすべての授業を5月11日からオンラインで始めつつ、対面授業の再開を準備してきた。1日は、登校する学生を通常の5分の1の300人以下に抑えられるよう、個人レッスンなどに絞って再開。今後、定員100人の授業を50人に分けるなどして「3密」を防ぎつつ、3段階で通常授業に戻していく計画だ。
文部科学省は5月中旬、各大学に対し、対面授業を再開する際は「3密」を徹底的に避けることなどを求めた。このため今月上旬に対面授業を再開するのは、大教室での授業よりも、少人数での指導ができる実技、実験、実習などの授業が多い大学が目立つ。
合奏の対面授業を再開するのは…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル