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バーをオフィス空間に利用し、カフェでラーメンを出し、居酒屋発のお持ち帰りスイーツをつくる。コロナ禍で苦境にあえぐ飲食店が、新たな分野に挑んでいる。業態の転換を、国も補助金を出して後押しする。(山根久美子、堀之内健史、矢島大輔)
パソコンを立ち上げて仕事する女性の隣にはビールサーバー。カウンターの奥にはウイスキーやリキュールが並ぶ。大阪市中央区の会員制バー「コナイト」は、2度目の緊急事態宣言が出た1月から、バーを日中はコワーキングスペースとして運営している。
換気のために窓を取り付けるなど店を改装した。費用には小規模事業者持続化補助金やクラウドファンディングを活用。マスクの着用や消毒を徹底し、会話はできるだけ控えてもらう。WiFiや電源も備え、仕事場としての使い勝手の良さにもこだわった。
バーの常連客の一人で不動産管理会社に勤務する女性(34)は、「在宅勤務を始めてから腰痛に悩んでいたけど、ここのイスは快適で仕事がはかどります」と話す。当初は一般開放していたが、大阪府内で感染者が増え始めた4月以降は、バーの会員のみ利用できるようにした。会員登録は受け付けている。
バーの運営会社「Kaeru(カエル)」(同市)の大崎弘子社長(44)は「経営は苦しいが、家賃支援や協力金がある分、小規模な飲食店は補償されている」と話す。
コロナ前のバーの営業は平日午後7時~翌午前0時だったが、昨春から休業や時短営業を繰り返している。最近は金曜のみ、午後6時半~同8時にカフェ営業も始めた。「コロナと生きていかなければならない今、バーだけでは危ない。柔軟に運営できるようにしています」
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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