「日本にはクニエダがいる」
男子テニス界の「ビッグ3」として長く世界のトップに君臨したロジャー・フェデラーさん(スイス)にそう言わしめた車いすテニスの国枝慎吾さん(38)は、パラスポーツ選手という枠組みを超えた存在だった。
パラスポーツの調査研究を数多く手がける笹川スポーツ財団の小淵和也・政策ディレクターに、国枝さんとパラ界の今後について語ってもらった。
――日本のパラスポーツにとって、国枝さんはどういう存在でしたか
パラ選手として、というより、アスリートとしての成績が圧倒的です。
車いすテニスの4大大会を同じ年に制覇する「年間グランドスラム」を5回達成。パラリンピックでは、2004年アテネ大会でダブルスで金メダルを獲得したのに始まり、21年東京大会までにシングルスで三つの金メダルを獲得しました。
男子テニス界で絶対的な強さを誇っていたロジャー・フェデラーさんが、07年に日本人記者から「なぜ日本のテニス界からは世界的な選手が出ないのか」と質問された際、「何を言うんだ? 日本にはクニエダがいるじゃないか」と返したというエピソードはあまりにも有名です。
パラ選手の中で図抜けた認知度
――パラ選手という枠組みを超えたすごみがあったわけですね
国枝さんが唯一無二の存在であることは、知名度にも表れています。
私も調査に関わっていますが…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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