高松市の高松港と岡山県玉野市の宇野港を結ぶ宇高航路が、15日を最後に運航を休止した。瀬戸大橋の開通で利用客が減少したためで、本州と四国の間に橋がなかった時代から、人と物の往来を支えた海路は、明治期から109年の歴史の幕を閉じた。
四国急行フェリー(高松市)は混雑を想定し、最終日は予約は受けずに当日券のみとし、港では長い行列ができた。9歳の孫と並んだ愛媛県今治市の徳野利幸さん(69)は「仕事で乗っていた船からの景色を孫に見せたくて。名残惜しい」。高松港を午後7時50分に出発した最終便には、大勢の人が手を振り、写真を撮って見送った。
宇高航路は1910(明治43)年に国が開設し、国鉄宇高連絡船や民間のフェリーが行き来した。だが、88年に瀬戸大橋が開通して連絡船は廃止され、フェリーの利用客も減少。2017年からは同社が1日5往復するだけになっていた。船内のうどんも有名で、「うどんフェリー」との愛称の船が航行した時代もあった。(添田樹紀)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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