同性婚を認めるフランスの法律に基づき結婚した日仏の国際同性カップルが、日本人側の本籍地の兵庫県尼崎市に婚姻届を受理されなかったのは差別的な扱いだとして、神戸家裁尼崎支部に家事審判を申し立てることがわかった。
申立書や原告側によると、2人はともに30代。フランスでは2013年に同性婚を認める「みんなのための結婚法」が成立しており、2人は18年に結婚した。
日本の戸籍法は、日本人が外国で婚姻届を出した場合に本籍地の市町村長に証書を提出する義務を定めており、2人は23年、尼崎市にフランスの婚姻証書と婚姻届を提出した。一方、市は「民法は男女間を当然の前提としており、受理は相当ではない」とした14年の法務省見解をもとに受理しなかった。戸籍法には自治体側の受理の義務は書かれていない。
申し立てでは婚姻届の受理を求める。
代理人の宮井麻由子弁護士(長野県弁護士会)と作花知志弁護士(岡山弁護士会)によると、同性婚を認めない民法や戸籍法の規定が憲法違反だと訴えた各地の同性婚訴訟と違い、今回は、現行の民法、戸籍法の制度下で認められるべきだと主張している点が特徴だ。「明確な根拠もなく不受理とするのは許されない」と主張する。
同性婚を法的に認める国は増えており、日本は主要7カ国(G7)で唯一、同性婚や同様の法的権利を国レベルで保障していない。国際同性婚カップルも増えているとみられ、今後もこうした訴えが続く可能性がある。(大貫聡子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル