兵庫県豊岡市内にあるコンビニエンスストア「ローソン」の2店舗のスタッフが、それぞれ架空請求詐欺を防いだとして豊岡南署から感謝状を贈られた。両店とも、電子マネー類を買おうとする客の様子がおかしいことに気づき、声をかけた。
ローソン豊岡城南町店の店員、前田勝美さんと小西龍太さんは3月5日、来店した60代の男性客から、店に設置されているマルチメディア端末の操作方法を尋ねられた。男性はインターネットサイトの解約料に充てるため25万円分の電子ギフト券を買うよう指示されたという。
男性がやり取りした相手の電話番号について、前田さんがネットで検索したところ、詐欺のブラックリストに載っていた。「詐欺ですよ。こんなもん払わなくていいですから」と説得し、警察へ通報した。
豊岡日高祢布店の店長、村上純一さんは5月14日、50代の女性客から電子ギフト券の購入方法を質問された。スマートフォンを操作しながら話す姿を不審に思って事情を尋ねると、「1億円が当選しました」というメールが届いたが、「受け取るには手数料が必要。コンビニの電子ギフト券で支払って」との指示を受けたという。
村上さんは「お金をもらうためにお金を払うのは、ちょっと詐欺っぽいですよ」と、思いとどまるよう促して警察へ連絡した。
感謝状贈呈式はともに7月7日、豊岡南署であった。前田さんは「私の身近な人がネット詐欺の被害に遭いそうになったばかりだったので気をつけようと思っていた。まさか自分がその場面に居合わすことになるとは。止められてよかった」。村上さんは「一人でも被害者を減らすため、役に立てればうれしい。店長なので他のスタッフにも注意するよう伝えていきたい」と話した。
寺道一彦署長は「コンビニや金融機関は詐欺防止の最後のとりで。勇気を持って声をかけ、機転を利かせて防いでいただき、ありがたい」とたたえた。(中村幸基)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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