横浜市営地下鉄ブルーラインの新百合ケ丘(川崎市麻生区)への延伸に関する説明会が31日に終わった。その中で横浜、川崎両市は、約6~6・5キロの全区間を地下15~30メートルのトンネル構造とする考えを示した。一部は住宅地の下を通る可能性がある。参加した市民からは、住環境への影響のほか、用地買収に手間取って開業が遅れることを懸念する声が出た。(茂木克信)
説明会は両市が共催し、8月23日から麻生区と横浜市青葉区で計4回あった。
説明によると、延伸は横浜市交通局が事業主体となる。既設のあざみ野駅(青葉区)から、小田急線新百合ケ丘駅南口付近までの間に新駅を四つ造る。
そのうち青葉区内のルートは、道路下などの公有地を活用するとしている。その先の麻生区内のルート次第では、住宅地の下を通る可能性は限られる。
一方、麻生区内のルートは東側、中央、西側の3案あるが、いずれも新百合ケ丘駅南口付近までに住宅地の下を通る。「大深度地下」(地下40メートル超)に造れば、特別措置法の定めで用地買収をしなくて済む。だが、線路の勾配がきつくなりすぎることや、地上とホームが離れて利便性が落ちることから地下15~30メートルに造る考えで、用地を取得しなければ工事はできない。
麻生区での説明会では、ルート候補地の住民が「騒音や振動の影響はないのか」と質問。川崎市は「ルート選定後、周辺環境への影響を詰める」と述べるにとどめた。着工時期について、横浜市は「まだ示せない」と明言しなかった。
両市は開業目標を2030年としている。これはルートを1案に絞った後、環境影響評価などの手続きや用地取得がスムーズに進むことが前提だ。用地取得などが滞れば、開業はその分遅れる。
青葉区での説明会では、早い開業を願う市民から「全線一括でなく、横浜市側を先行開業できないのか」といった質問が出た。横浜市は「現時点では想定していない」としたうえで、「用地交渉を精いっぱい、円滑に進めていきたい」と理解を求めた。
両市は延伸の効果について、公…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル