米マイクロソフトがトッププレーヤーに匹敵する実力に達したと発表したマージャンAI(人工知能)「スーパーフェニックス(Suphx)」。驚きは、囲碁や将棋以上の複雑さを持つ競技でAIが人を超えたことだけではない。中心となった開発チームはたった4人。しかも、マージャンをやらない素人ばかりだった。
「素人」の突破
「面白いことに、Suphxの開発チームはマージャンができない」。Suphxが活躍するオンラインマージャン対戦プラットフォーム「天鳳」の運営会社シー・エッグ(東京)の角田真吾代表は、8月29日にあった記者会見に同席し、こう驚きを見せた。
囲碁や将棋、チェスなど一対一の対戦ゲームではすでにAIがプロを倒せるようになったことは知られている。だが、開始時点では差が無く、手持ちの駒やボードの上を見れば、置かれた状況は一目瞭然だ。一方、マージャンは牌(パイ)を配る際などの運に左右される。さらに、手持ちの牌は相手に見えない。プレーヤーは4人で、おまけに複雑な得点計算まである。開発チームの1人で、マイクロソフトリサーチアジアの劉鉄岩・副所長は会見で、「(AIが勝つのは)マージャンが一番難しいと考えられている」と話す。
Suphxは3月に天鳳のプラットフォームにログインし、6月に上から2番目の段位となる「10段」に達した。上達の早さだけではなく、5千回の対戦を経ても他のAIより段位を安定して維持してきた。人間のプレースタイルとだいぶ違うため、人間の技術向上にも役立っている。一部のプレーヤーから「Suphx先生」と呼ばれているという。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル