プロ野球を戦力外通告の松坂世代 「野球さん」の指令を乗り越えて

 プロ野球の世界で15年間生き抜き、今はクリケットの日本代表として活躍する。

 木村昇吾選手(43)。

 第二の人生は、たった5分の電話から始まった。

 「クリケットって知っていますか?」

 旧知のスポーツ記者からだった。

 世界ではサッカーに次ぐ人気のスポーツであること、数十億円かせぐ選手が海外にいること……。

 「自分がクリケットをやっている映像が、パッと頭に浮かんだんです。俺、クリケットやるやんって」

 プロ野球西武から戦力外通告を受けていた木村選手は、競技の魅力を語り続ける記者の言葉を遮り、気付けば返事をしていた。

クリケットの「先駆者」に…

 「もういい、やるから。クリケット、やるから」

 2017年、37歳の秋だった。

 大阪市出身の「松坂世代」。尽誠学園高(香川)、愛知学院大をへて、プロ野球の世界へ。03年から15年間で横浜(現・横浜DeNA)、広島、西武と3球団を渡り歩いた。大谷翔平選手(当時・北海道日本ハム)の160キロの直球を、センター前へはじき返したこともある。

「脳から汁が出るほど」悔しかった

 戦力外通告のあと、現役の道…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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