16日に始まった大学入学共通テストは、大学入試センター試験が「知識を問う傾向が強い」との指摘を受けて、導入が決まった。知識だけでなく、文部科学省が重視する「思考力・判断力・表現力」を測ることを目指している。問題は、どのように変わったのか。
初の大学入学共通テストには、図表などを交えて思考力を問う出題が増えたと同時に、現代につながる話題も盛り込まれた。
感染症を取り上げたのは世界史Bだ。1348年、大流行したペストから逃れてフィレンツェ郊外にこもった10人が10日間、1人1話を語る物語集「デカメロン」の一部を提示。コレラとペストの説明について、「アメリカ大陸からヨーロッパにもたらされた病」「亡くなる徴候は、地域や性別を問わず同じ症状」などから選ばせる問題が出された。
地理Aでは、地理の課題探究授業の場面設定で、日本でも流行した台湾のタピオカミルクティーを取り上げた。原材料である、キャッサバ、サトウキビ、茶の生産量の上位5カ国を示した円グラフを選ばせるなどの出題があった。
英語(リーディング)では、実用的な出題が目立った。寮のルームメートとの携帯電話でのメッセージのやりとりや、ミュージシャンのファンクラブの公式ウェブサイトを提示して、内容を理解できているか問う出題もあった。(増谷文生、宮坂麻子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル