ペットの終末期を24時間態勢で見守る職業「看取(みと)り士」をつくった岡山市の柴田久美子さん(71)が、その経験をいかし、10月からペットのみとりのサポートを始めた。
ペットと過ごした日々を振り返ってもらいながら、ペットの性格、好み、動物病院での反応を聞き取る。最期の日々をどう迎えるか。家族の意向に沿い、黒衣として寄り添う。
家族にはペットを抱き、なで、ペットに呼吸を合わせてもらう。悔いのない送り方をすることで、「故人」が家族の心の中に生き続ける。手法も、考え方も、基本的には人のみとりと変わらないという。「動物は、言葉こそ発しないけれど、魂をもつ存在として人間と同じ」
今春、「ペット看取り学」を体系化した。みとりの作法やペットロスに関する知識などについて受講したうえで、民間資格「ペット看取り士」を取得してもらう。そして今月、約60人が全国で活動を始めた。その多くが、人のみとりの経験を積んだ人たちだ。
「ご臨終です、言われてからが家族の時間」
柴田さんは島根県出雲市生まれ。小学6年のとき、父は手を握って「ありがとう」と言って旅立った。
1時間ほど握り続け、ついに…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル