愛知県大治町に和菓子の自動販売機がお目見えし、話題になっている。開店から57年の歴史を持つ町内の和菓子店「松葉堂」が、コロナ下で収益を確保しようと始めた。ものめずらしさと、店に遠慮せず一つから買える手軽さが受け、新しい客の開拓につなげている。
自販機は町役場の南西500メートル余りの住宅街にある店の前にあり、町の名物「大治太鼓」のデザインがあしらわれている。角切りのサツマイモをまんじゅう生地に入れて蒸した愛知県の名物鬼まんじゅうや、どら焼き、団子、季節の菓子など10種類を110~400円で販売。お金を入れてボタンを押せば、和菓子が出てくる。
6月に設置すると、テレビ局やユーチューバーに紹介された。店主の山本益司(ますじ)さん(56)によると、商品を補充しようにも自販機の前に行列ができ、補充できないこともあった。週に1万円ほど売り上げが増えたという。
10月に孫2人と訪れた町内の男性会社員(60)は初来店だった。男性は「店に入るのはおっくうだけど通りすがりでも気軽に買えるのがいい。たまには変わったもんが欲しいし、孫がせがんでいたので寄った」と話した。
一番人気は鬼まんじゅう。「暑さに弱い菓子。おいしく食べてほしいけど、6時間もたてば味が変わる」(山本さん)ため、夏場は店頭販売をやめていた。しかし温度管理ができるようになり、レギュラーメニューに。冷やした状態でもレンジで温め直すと、おいしさがよみがえる。
コロナ下では、客の動きが鈍…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル