ボランティアは「労力」ではなく「仲間」 五輪の経験をどうつなぐか

現場へ! ボランティアレガシー⑤

 秩父宮ラグビー場東京都港区)周辺を盛んに見回るのは、神野幹也さん(35)。

 4月24日。港区などが主催する「みなとラグビーまつり」。

 リーグワンの各チームの出展や、ラグビー体験ゾーンなどが設けられていた。運営を約100人のボランティアが支え、その一人として神野さんは統括をする立場だった。

 現在の本業はコンサルティング関係だが、日本のスポーツボランティアの中枢的な存在だ。

 Jリーグ町田の試合がボランティアを始めたきっかけ。2019年に日本で開かれたラグビーW杯では、大会組織委員会のボランティアマネジャーとして、1万3千人を統括した。

 東京五輪パラリンピックでは、バドミントンなどが行われた武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)で、観客おもてなしなどを担うチームの責任者を務めた。

 新型コロナ禍で無観客になり、他の会場では仕事が割り振られない人も出た。だが、神野さんのチームでは、希望した日数すべてで活動してもらった。

 「多くの思いを持って準備してこられた。やることがない状態は申し訳なさすぎました」

 どんなおもてなしができるか、オンラインで意見交換してもらった。選手の観戦席のデコレーション、プレスルームに折り鶴を飾る、選手の入り口前にじょうろの水で五輪マークを描く……。能動性と創意を引き出し、役割をみんなが楽しんだ。

 無観客の東京大会は、「ボランティアに対する主催者の哲学が問われた」とみる。

 「仕事がないからとボランテ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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