新型コロナウイルスの感染が子どもにも広がり、夏休みを延長する自治体もあるなか、一部の学校では授業が始まっている。感染をこれまで以上に警戒し、臨時休校への備えもしながら、子どもたちが安心して学べる環境をどうつくるのか。模索が続いている。
「先生、なんかつかない」「どうすればいいの?」
東京都新宿区立早稲田小学校(児童数約600人)の教室で27日、1年生の児童がタブレット端末を操作しながら次々に質問した。休校などでオンライン授業になったときに備え、遠隔会議システム「Teams(チームズ)」の使い方を学ぶ授業だ。
多くの子が無事に接続できたが、アプリが見つからなかったり、「開始」ボタンを押せなかったりして戸惑う子も。対応に追われた担任の小杉香織教諭は「一人でつなぐには、もう少し練習が必要」と話す。
Teamsの練習は、始業前日の24日に宇山幸宏校長が指示した。同校では通信環境の不備などで、1人に1台配備された端末がまともに使えるようになったのは、夏休みに入る少し前だった。操作に慣れていない子や教員がいる。今後、分散登校やオンライン授業になる事態も想定し、備えが必要と判断した。「親が共働きなどで、日中は一人になる子もいる。自分でできるようにしてあげないと」
感染対策を強化、一方で「解禁」も
感染対策は、夏休み前よりも強化した。冷房中も常に窓を開けて換気し、給食は無言で食べるよう徹底。各教室に置いたアルコール消毒液で、たびたび手指の消毒をさせる。
一方で、できるだけ「いつも通り」の学校活動を続けることが大切だと考え、ボール遊びを解禁。伝えると、待ち望んでいた子どもたちから歓声があがった。音楽の授業での楽器演奏も、必要な感染対策をしたうえで復活したいという。始業後、保護者からは「学校が始まってよかった」との声が届くが、休校しないことへの批判は聞こえてこないという。
宇山校長は「コロナ生活は長引くと思う。休校に備えながら、どうすれば通常に近い活動ができるか。工夫していきたい」と話す。
小学生の2割がオンライン授業を希望
すべての小中学生に「1人1…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル