石垣明真
【千葉】自室で衰弱していた一人暮らしの70代女性の人命救助に貢献したとして、佐倉署は26日、ヤクルト販売員の野口梓さん(40)に感謝状を贈った。外からは見えない女性の異変を察知できたのは、野口さんが感じた違和感からだった。
野口さんが佐倉市内のエリアを担当するようになったのは約3年半前。今回救助された女性はその時からのお得意様だったといい、話し好きで、会うとよく昔話を聞かせてくれたという。
いつも通り、事前の連絡を受けて、野口さんが12日に女性宅を訪問したところ、インターホンを押しても反応がなかった。これまでもよくあったことで、気には留めていなかったという。しかし、休みを除く13日と16日に再訪問したものの、やはり応答がない。いつもだったらあるはずの「寝てたからごめんね」といった電話もかかってきていなかった。女性宅のポストには新聞やチラシがたまっていた。
そして17日、再び訪問した野口さんの目の前には、相変わらず満杯のポストと、反応のないインターホン。「これはおかしいな」と思った瞬間、ふと思い出した。「10月に来たとき、女性のろれつが回っていなかったような気がする」。野口さんが思い切って近所の交番に連絡したところ、駆けつけた警察官が寝室で衰弱していた女性を発見。女性は無事病院に運ばれたという。
野口さんは「警察を呼んじゃってもよかったのかなという気持ちもあったが、助けられて良かった」と笑顔で話した。(石垣明真)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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