北海道に不思議な天然記念物がある。それは、屈斜路湖(北海道弟子屈町)の南岸に突き出した和琴半島。南方系のミンミンゼミの生息地の北限だ。本州では珍しくないミンミンゼミだが、寒い北海道ではあまり見られず、なぜかこの地にだけ離れ小島のように「ぽつん」と生き延びている。
細くくびれた半島入り口に近い屈斜路神社の周辺では、うっそうとした広葉樹の上から、「ミーン、ミンミンミンミーン」という鳴き声が降り注ぐ。7月から9月上旬の暑い日にだけ、見られる光景だ。
ミンミンゼミは、かつて日本列島がもっと温暖だったころは北海道全域にいたが、その後の寒冷化で生息域が南下した。ただ、和琴半島は火山島で、噴火口や温泉湧出口などがあり、地熱が高かったため、この周辺の一群だけが逃げ遅れたという。
いまの北海道では、南部の渡島…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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