現場へ! ボランティアレガシー①
若葉が薫る。予報に反し、活動直前に青空が広がった。
6月12日。トングとポリ袋を手に、道路を歩き出す。
国立競技場(東京都新宿区)の周辺の美化活動を定期的に行うボランティアグループ「TEAM2020」。
この日は27人が参加した。
着ているのは、昨年の東京五輪パラリンピックの都市ボランティアのユニホームだ。
たばこの吸い殻を拾い、こびりついたガムをはがしながら、散策するかのように進む。
「大物、見つかりましたー」
ビールの空き缶が沿道の植木から探り出され、思わず歓喜の声があがった。
このグループは、都市ボランティアだった人たちが母体だ。
東京大会では、約8万人の大会ボランティアと約3万人の都市ボランティアが登録された。しかし、新型コロナ禍で無観客となり、競技会場外で観客の案内役となる後者は、ほとんど活動の場がなくなった。
「一度はユニホームを着て活動したかった」
そんな恨み節もネットの交流掲示板に書き込まれた。
不完全燃焼を晴らそう。大会後、そんな人たちが集まったのがきっかけだった。
その一人が会社員の古畑会利…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル