マイナカードのトラブルあちこちで システムトラブルも人的ミスも

杉山歩 柴田秀並

 マイナンバーカードを健康保険証としても使う「マイナ保険証」で別人の情報が誤って登録されるトラブルが相次いだ問題を受け、加藤勝信厚生労働相は23日、加入者データを総点検する方針を表明した。マイナカードをめぐっては、他にもトラブルが相次ぐ。

 証明書のコンビニ交付サービスでは、他人の戸籍証明書や住民票などが誤って交付される事例が横浜市川崎市などで計14件確認されている。さらに、登録を抹消した古い印鑑登録証明書が発行されるトラブルも起きた。いずれも富士通Japanが提供するシステムだ。

 この問題を受け富士通は23日、マイナカードを使ったコンビニ交付システムを最大で6月4日まで停止し、一斉点検すると発表した。河野太郎デジタル相が今月9日、同社に対してシステムの一時停止と再点検を要請しており、これを受けた対応となる。

 デジタル庁によると同社は200弱の自治体にシステムを提供している。富士通は対象のシステムを利用する自治体と協議しているといい、調整が済んだところから順次停止し、性能評価や設定の点検をする。

 23日は新たに、公金を受け取るための預貯金口座とマイナンバーをひもづける制度で、口座を別人のマイナンバーに誤って登録した事例が複数起きていたことも判明した。デジ庁によると、自治体の担当者が窓口などに設置している端末で住民の口座登録を支援した際、ログアウトしていない前の人の情報が残っている状態で、次の住民の手続きを支援したことが原因だった。

 デジ庁の担当者は「人的なミス」であることを強調し、「自治体に対しマニュアル順守を徹底するよう求めた」と説明する。ただ、政府が先頭に立ってマイナカードの普及や預貯金口座のひもづけなどの旗振りをしており、自治体の現場では負担が増している。こうした対策がうまく機能するかは分からない。(杉山歩、柴田秀並)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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