マイナンバーカードを持つ人に対して、買い物などで利用できるポイントを還元する「マイナポイント」の受け付けが始まりました。しかし、パソコンで申し込む場合には、今となっては利用者が多いとはいえない「InternetExplorer11」(IE11)しか対応しないという驚くべき状況となっています。実は、電子政府やネット銀行のサービスでは、いまだにIEしか対応しないというケースが少なくないのが現実です。
総務省はマイナンバーカードを国民に普及させるため、「マイナポイント」というポイント還元の制度を構築しています。マイナンバーカードを所有している人は、約15%となっており、多くの人がカードを持っていません。カードを保有していることの実質的なメリットが少ないことや、何よりマイナンバー制度はプライバシーに直結するものであり、もっとも重要な個人情報と紐付いたカードを気軽に持ち歩きたくないというのがその理由と考えられます。総務省では、マイナンバーカードの保有を義務化する議論が行っていますが、一方で、保有を促進するためのポイント還元制度も実施しており、7月1日から申し込みの受け付けが始まりました。 ところが、パソコンでの申し込みを試みたところ、ブラウザに制限があるため申し込みができないという声があちこちから上がりました。対応ブラウザが、もっとも多くの人が利用している「Google Chrome」や、Windows10に標準搭載されている「Microsoft Edge」には対応しておらず、なんと「InternetExplorer11」しか対応していなかったことが理由です。IEの利用者は10%以下と考えられますから、IEしか対応しない仕様では、多くの国民がパソコンでの申し込みができないことを意味しています。 しかしながら、電子政府や銀行のネットバンキング(特にビジネス向け)では、いまだにIEを標準とするところも多く、この問題は日本のあちこちで発生しています。総務省では、今後、順次、他のブラウザに対応できるよう拡張していくとしていますが、いつ対応できるのかは今のところ未定です。
IEについては、開発元のマイクロソフト自身が、セキュリティ上の問題などから利用をやめるよう全世界に呼びかけています。こともあろうに開発企業が否定している製品を必須要件にするという政府の認識には驚かされるばかりです。日本がIT後進国であることは、多くの人が認識しつつありますが、この状況は当分、解消されそうにもありません。 (The Capital Tribune Japan)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース