ユニクロのTシャツをめぐり、お隣の中国で騒動が…。
中国で撮影された映像を見ると、ショッピングセンター内を猛ダッシュする人々。シャッターが上がり切る前に、我先にと店に入っていきました。
そして、陳列されていた商品を激しく奪い合い!中には、陳列台に乗ってマネキンのTシャツを脱がせる人の姿も…。
<Tシャツをめぐりモメる客>
「服を放せ!放せ!」
「こいつ俺をたたいているぞ!」
人気の絵柄のTシャツを着てオシャレを楽しむのかと思いきや、中国のオークションサイトを覗いてみると、約1550円のTシャツが、8倍の1万2500円ほどの値段で売られていました。転売目的でのトラブルだったでしょうか。
Tシャツの激しい奪い合いに街の人は…。
男性:
「恥ずかしい。(マネキンの)腕をほったらかしにしてたから、なんか行儀悪いな。罪はどうかわからんけど…」
別の男性:
「(取り合いは)日本ではないでしょうね、中国でもそこまでやるのは違法性が高いと思います。常識の範囲で金額に収まっていれば転売でもいいんじゃないですか、何倍もなると難しいですけど…」
女性:
「潜り込んで引っぱってたからな。転売する目的って言ってはったから、高すぎるやろうけど欲しい人は買うわな。苦労して買ってはるからなこの人も…、走って、その分かなと思う」
今回のTシャツは、日本でも販売されましたが、1デザインにつき1人1点と購入制限を設けたことで、目立った混乱はありませんでした。
しかし日本のオークションサイトでも、そのTシャツは定価以上で売られていて、欲しくても買えなかったと涙した人もいるのでは…。
こうした買い物をめぐる、知っておきたい法律について、菊地幸夫弁護士に伺います。
菊地弁護士:
「日本の法律では、転売については、高額だからすぐに違法となるというわけではなく、回数と量で決まります。
質屋さんなどの業界を取り締まる法律で、古物営業法というのがあります。古物とはいわゆる中古品です。お店で買ってきたTシャツも買っちゃったら中古品となりますので、それをどのように売ったりあげたりしたらいいのか、という時にその法律が出てきます。
古物“営業”法なので、営業を取り締まるんですね。営業というのは何度も繰り返して(=回数)、たくさん売る(=量)。それには許可がいります。ところが転売をする大抵の方は許可を取ってないですよね。その場合、無許可営業ということで処罰の対象となり得ます。
ですから、営業と見なされる多数回や大量でということになると違法性が出てきます。逆に言えば、高額でも“1回”売却したということであれば法に引っかからない可能性が高いです」
Q.一方、日本でもバーゲンやセールの会場では、今回の中国でのTシャツの奪い合いほどではないものの、近い光景は見られると思います。まず、客がマネキンの服を買うために脱がしてしまった場合、日本の法律ではどうなるのでしょうか?
菊地弁護士:
「売り物でないと、窃盗罪の恐れがあります。マネキンの服はお店の展示品ですよね。ただちに売り物とは限らないんです。そうだとすると、売り物じゃない物をひったくって確保した段階で窃盗罪になる可能性があります。持って帰らなくてもその場で。例え後でお金を払うつもりがあったとしても罪になるかもしれません」
Q.次に、「商品の買い占め」についてはいかがでしょう?
菊地弁護士:
「客と店との取引では、普通は1つであれば売ってくれるでしょう。しかし他のお客さんがいるのに『全部私が!』ということに関しては、お店側が『1品だけにしてください』と言える契約の自由があります。
例えばよくバーゲンなどで『お1人様2品限り』ということがありますよね。そのようにしてお店側がコントロールする権利があるんです」
Q.最後に、1つの商品を取り合ってしまう場合はいかがでしょうか?
菊地弁護士:
「これについては法律で決まっていないので、じゃんけんで…。ケンカしないで、お互いに譲り合っていただけたらと(笑)」
(関西テレビ6月12日放送『報道ランナー』内「そこが聞きたい!菊地の法律ジャッジより)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース