マルチリンガルのIT技術者「日本にどれだけいる?」 変わる難民像

 難民の受け入れは各国で世論を二分する問題になっている。受け入れが「負担」と考えられているからだ。だが、そうなのか。

 アフリカ大陸から来たその男性は、物腰が柔らかく、英語もフランス語も話す。大学院で学び、IT技術者としてのキャリアもある。

 日本に着いてしばらく、ホームレス生活を送っていた。

 日本に来たのは、観光でも仕事でもない。祖国から逃れ、安全に暮らせるならどこでも良かった。たまたまたどり着いた日本で、男性は難民申請をした。

 男性の人生は、祖国のコンゴ民主共和国で一変した。金融の仕事で、ある有力者の汚職と脱税を知ってしまったのだという。

 当局に報告すると、パソコンは押収された。米国務省などの報告によると、コンゴ民主共和国では公務員らによる汚職が深刻で、治安当局などによる民間人への不当な逮捕、拷問、殺害なども多数報告されている。

 「権力者は何だってできる」。男性は国外脱出を決意。上司が誘拐されたのを知ったのは、後のことだ。たまたま短期滞在のビザが取れたのが日本だった。

難民申請者と企業、NPOがつなぐ 「希望取り戻した」

 2019年秋に来日。日本で…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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