マングース、最後も人の責任で 泣きながら手にかけた獣医師の問い

 「最近はマングースがいないので、冷凍保存した沖縄のマングースのフンを使って訓練しているんです」

 冬でも葉が落ちることのない、鹿児島県奄美大島の森の中。奄美マングースバスターズの後藤義仁さんがフンのにおいをつけた細い竹を放ると、マングース探索犬のピピがすかさず駆け寄った。

 2021年に世界自然遺産となった奄美大島。東京23区を合わせたよりも一回り大きなこの島では、外来種のマングースの完全排除が目前に迫る。この規模の島で、一度定着したマングースを根絶できた例はない。実現すれば「世界初の快挙」だ。

 山中には一時より減らしたとはいえ、今も約2万個のわなをしかけている。だが18年に1頭がわなにかかって以降、奄美大島でマングースは見つかっていない。この日後藤さんが確認したわなにも、餌が食べられた形跡なく残っていた。

 生き物が死ぬことは、時に悲しくつらい。それでも人は、様々な理由でいのちを奪い、助けることをあきらめる。「かわいそう」と断じるにはあまりある思いを抱えて。様々な生き物の最期に向き合った現場からの報告です。

ハブ退治で連れてきたはずが…

 マングースは本来東南アジア…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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