適切に管理された民間マンションに自治体がお墨付きを与える、そんな認定を可能にする制度が始まる見通しだ。長く住むには欠かせない老朽化対策だが、修繕積立金を設けていないところも多い。築年数を重ねるマンションは今後急増すると見込まれる。住む人の管理意識を高め、劣化がむやみに放置されるのを食い止めたい狙いがある。
大阪市内のある高層マンションの管理組合は3年前、修繕積立金の計画を見直した。コンサルティング会社を通じて大規模修繕工事などに備えた修繕積立金を精査したところ、十数年後に積立金の不足が明らかになった。居住者から1平方メートルあたり月70円を集めて積み立ててきたが、建設資材の高騰や消費増税などが考慮されていなかった。また、数千万円かかると見込まれる消火設備の補修費が含まれていなかった。
今後の修繕工事費を確保するため、組合は総会を開き、積立金を将来一気に引き上げるのではなく、30年先を見越し、1平方メートルあたり月333円を集めることにした。計画変更にかかわった元組合役員の男性(47)は「将来、今以上に急激に積立金を引き上げて滞納が相次ぎ、修繕できなくなる事態を考えれば正しい選択だった」と振り返る。
適切に管理されるマンションを…
980円で月300本まで2種類の会員記事を読めるシンプルコースのお申し込みはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment