ミシュランの星つかなかった 三國清三さんが新たな旅立ちに思うこと

 フレンチのシェフで知られる三國清三さん(68)が昨年末、自身の店のうち代表的なフレンチの店舗を閉じた。今後の展望を尋ねると、星の数で店を評価する「ミシュラン」への複雑な思いを漏らす一方、料理への探究心に変わりはなかった。(笹山大志)

 閉店したのは、37年続いた「オテル・ドゥ・ミクニ」(東京都新宿区)。元赤坂の迎賓館近くの住宅街に位置する。

 営業最終日の昨年12月28日のランチタイム。店の一角を埋めていたのは取引先の43人。三國さんが店を続けるにあたり、大切にしてきたのが、ワインなど食材をはじめとする取引先だった。

 一度、取引をすると決めれば代えることはほとんどなく、伝票用紙を納入する業者も創業から一度も代えなかった。

 「長く付き合っていると、取引先も僕の好みを理解して、僕好みの食材を持ってきてくれる。取引先があったからこそ僕の料理がある」。営業最終日、彼らを一斉に招き、無料で料理をふるまった。取引先の一人は、自社の商品を三國さんに使い続けてもらったのは誇りだったとうれしそうに振り返る。

フランス料理人として名をはせながら、ミシュラン星が与えられなかった三國さん。インタビューではその悔しさが垣間見えました。

厨房で怒声

 一方、この日の厨房(ちゅう…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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