夢への扉が開いた。この夏、東京であったバレエの国際コンクールで優勝した山口県周南市立岐陽中2年、コスタコフ・ジュリアさん(13)に、イタリア留学の切符が舞い込んだ。「みんなから愛される世界的なダンサーに」。大志を胸に10日、ミラノへと渡った。
8月に都内であった国際バレエコンクール・ジャパングランプリ。中学1・2年部門の頂点に立った瞬間を「まさか1位とは。びっくりして、うれしくて。いろんな感情がごちゃごちゃになった」と明かす。
前回は3位だった。「さらに上を」と猛練習に励み、4度目の挑戦で手にした初めての栄冠。だが喜びはそこで終わらなかった。
国内トップレベルのこの大会には世界の名だたるバレエ関係者が審査員を務めている。その1人に、イタリアの名門、ミラノ・スカラ座バレエ学校の責任者がいた。将来を見込まれ、1年間の授業料免除で留学を打診されたのだ。「夢への第一歩が踏み出せる」。ホームステイの生活や言葉の壁など不安はよぎったが、迷いはなかった。
自分で決めた「武者修行」 いつも1人泣いていた新幹線
ロシア人の父と日本人の母がともにバレエダンサー。母の陽子さん(45)の主宰する教室「山口バレエアカデミー」(周南市速玉町)でバレエを始めたのは2歳の時だ。踊るのが楽しくてレッスンにのめりこみ、保育園の卒園式で発表した「大きくなった時の夢」はバレリーナだった。
「小さい頃は体が硬くて。柔…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル