パリ、ニューヨーク、ロンドンと並ぶ、世界4大コレクションのひとつミラノ・コレクション。近年は洋服の新作ショーだけでなく、靴やバッグの展示会や様々なファッションイベントも同時に開催され、まとめて「ミラノ・ファッションウィーク」と呼ばれるようになった。
今年の6月に2021年春夏メンズやレディースのプレコレクション作品を集めて開催される予定だったミラノ・ファッションウィークは、新型コロナの影響で、今月初めてデジタル発信での開催に。各ブランドがそれぞれ趣向を凝らし、今までとは違った形で新作が見られる。
ミラノのファッションウィークの特徴とはなにか。まずは有名ブランドが極めて多いこと。たとえば、グッチやプラダ、ジョルジオ・アルマーニ、エトロ、ボッテガ・ヴェネタ、サルヴァトーレ・フェラガモにドルチェ&ガッバーナ、ジル・サンダー、ミッソーニ……日本でもなじみのあるブランドがずらりとそろう。
デザインにもミラノ特有の持ち味がある。サルトリアと呼ばれる伝統的な仕立て技術とゴージャス感だ。
流行の発信源としても知られていて、「トレンドのミラノ」とも評される。ちなみに、ニューヨークは「トラッドやビジネスウェア」で、近年はアジア人デザイナーの活躍がめざましい。ロンドンは「新進の前衛性」、パリは世界各国からデザイナーが集まり「創造性」が競われる傾向がある。
また、ミラノで忘れてはならないのが、新しい試みや最新技術をいち早く取り入れること。たとえば、ドルチェ&ガッバーナは2018年2月、モデルが歩くランウェーに、新作のバッグをぶらさげたドローンを浮遊させて、新たな見せ方を披露した
その前年には、性差や肌の色などによる社会の不平等に対して、デザイナーたちが一斉にショーで「NO」と表現。ヴェルサーチェではデザイナー自ら「平等」という意味の文字入りニットを着て登場し、喝采を浴びた。いま世界中で人種差別に対するデモが行われているが、ミラノではすでに3年前からそんな動きが広まっていた。
そのほか、グッチは世界の多く…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル