九州の有明海周辺にすむムツゴロウはそろそろ繁殖期を迎える。雄たちは干潟で雌にアピールするジャンプをしたり、雌をめぐってけんかをしたりと忙しい。そんな姿を写真に収めてきた藤松政晴さん(56)は「ジャンプの前には体をくねくねさせるが、けんかは前ぶれなく始まるので撮影が難しい」と話す。この写真は本紙「声」欄にも掲載された。
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気性の激しそうな雄たちも、子育てでは優しくけなげだ。干潟に掘った巣穴に雌を誘って産卵を促すが、孵化(ふか)までの約1週間、卵を守るのは雄。長崎大の石松惇名誉教授は「卵は産卵室の天井に産み付けられる。雄は潮が引く度に干潟の表面で新鮮な空気を口にふくみ、室内を空気で満たす。卵は水中でなく空気中で発育する」と説明する。
一方で孵化のとき、卵は水につ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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