4日にレース最終日を迎える東京オリンピック(五輪)のセーリング競技会場に近い神奈川県鎌倉市の住民たちは、ホームステイなどを通じて海外選手と3年以上交流してきた。コロナ禍で今大会中は直接会えなかったが、選手たちを手作り応援動画で励まし続けた。すると、メダルを獲得した選手から思わぬ「恩返し」があった。
手作り動画で「頑張れ!」
「カーラさん、元気で頑張って。応援してます! ツェンピア(フィンランド語で頑張れ)、カーラ!」
同市七里ガ浜の野上京子さん(79)は、フィンランドのカールレ(カーラ)・タペル選手(25)へのメッセージでこう呼びかけた。
東京五輪のセーリングは、江の島や鎌倉などの沖合で開催され、7月25日から11日間にわたってレースが続いた。海域の風向きや波への慣れが勝敗を左右するため、海外選手たちは数年前から何度も来日し、1カ月ほどの練習を重ねてきた。タペル選手は2017~19年に野上さん宅にホームステイした。
タペル選手はしょうゆをかけたご飯が大好物で、食事の締めに毎回食べていたという。野上さんは英語が全く話せないが、身ぶり手ぶりを交えながら息子のように接した。「会場で応援はできないけど、いつも幸せを祈っているよという思いを動画に込めました」
応援動画を企画したのは、地元でインバウンドを活用した地域振興に取り組む河辺匡太さん(51)だ。16年秋に海外のセーリング選手を泊めたのがきっかけで、地元住民に声をかけて選手との交流を始めた。これまで30を超える家族が50人以上を受け入れてきた。
「歓迎されているのか」外国選手の不安
今年3月に動画企画を思いつ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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