メロン生産量日本一の茨城県オリジナル品種「イバラキング」に特化したコンテストが、5月に初めて開かれた。
初代王者に輝いたのは、同県鉾田市のメロン農家、根崎直喜さん(44)。イバラキングと名前が付く前の試験栽培の段階から生産に関わってきた。「今までやってきたことが報われました」と喜びを語った。
イバラキングは、県の農業技術を結集して生まれた品種だ。「日本一の産地なのに全国では知られていない」という危機感から開発が進められた。
10年以上をかけて、ヨーロッパ出身のアールス系を父親候補に、約4万個体から選び抜いた茨城育ちのアンデス系を母親候補にした。さらに400通り以上の掛け合わせを経て、2010年に品種登録された。
果実が大きく、上品な香りと甘さ、なめらかな肉質が特徴だ。「極上のメロン」とうたう。
味はよくても安値で取引
だが、他の高級品種に比べると安く取引される。
高級フルーツ店では、静岡産のクラウンメロンには1玉2万円近くの値がつくが、イバラキングは3千~5千円前後。贈答用は、網の目やT字形のつるの美しさといった見た目の印象も値段を左右する。
県は今年度、いばらき高品質メロン創出事業として、県産メロンの生産技術やブランド価値の向上に取り組む。コンテストは、イバラキングの品質の高さを発信し、高級品市場にアピールするために企画した。
「King of IBARAKING」と名付けたコンテストには県内の生産者19人が応募。5月25日に水戸市であった最終審査までに5人に絞られた。
パティシエの鎧塚俊彦さんら食や流通の専門家が審査員を務め、メロンを実際に食べながら味や外観などの指標を点数化した結果、根崎さんのイバラキングが最優秀賞に選ばれた。糖度の高さや香り、網の目やつるの美しさといった点で高い評価を得たという。
「おいしいものを作りたい」という思いが結果に
根崎さんは父もメロン農家で、20年以上前に就農した。イバラキングの開発段階から生産に携わってきただけに、コンテスト参加への周囲の期待は高かった。だが、参加するかどうか迷いもあった。
イバラキングで過去最高の販売価格を記録した根崎さんの試行錯誤を取材しました。
「イバラキングは中身の味で…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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