モバイル衛星通信を地震被災地で活用、東京都が新年度に本格導入へ

 通信状況が不安定な能登半島地震の被災地で、人工衛星を介したモバイル通信ネットワーク「スターリンク」が活用されている。東京都が今年度から試験導入している設備を、石川県輪島市に応援派遣された都職員が持ち込んだ。都は9日、同種のモバイル衛星通信機器の本格導入を新年度に都内で進める考えを明らかにした。

 スターリンクは、地上の専用アンテナが人工衛星から電波を受信し、ルーターを経由してインターネットに接続する新しい民間サービス。上空が開け、電源が確保できれば接続でき、スマートフォンやパソコンでWiFi(ワイファイ)などの通信が使える。

 従来の衛星通信に使われる人工衛星は高度約3万6千キロの軌道にあるが、スターリンクは同約550キロの低軌道に3千機以上あり、大容量の高速データ通信が可能という。

 能登半島地震の被災地では、大手キャリアの通信環境が不安定で、メール一つ送るのも時間がかかる状況が続いている。都は今年度、スターリンクの設備を島嶼(とうしょ)部などで計8台試験導入しており、このうち1台を輪島市に持ち込んだ。

 市役所などでのネット接続を…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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