2019年の参院選で、札幌市で街頭演説中の安倍晋三前首相にヤジを飛ばした男性(33)と女性(26)が北海道警の警察官に取り押さえられ排除された問題で、2人が憲法が保障する「表現の自由」を侵害されたとして道に慰謝料などを求めた訴訟の弁論が9日、札幌地裁であった。排除に関わった警察官3人の証人尋問があり、いずれも職務の正当性を主張した。
JR札幌駅前で警備にあたっていた男性警察官は、原告男性が興奮状態で「安倍やめろ」などとヤジを飛ばし、居合わせた人に小突かれていたと説明。自民党支持者らとけんかに発展する可能性があり、「彼を移動させるのが最適だった」と述べた。
原告側の弁護士が「ヤジを飛ばす人への対処法が決まっていたのか」と質問すると、「ヤジを理由に規制することはない」と答えた。「警察官職務執行法の範囲内という認識があったのか」との問いには、「法の解釈には答えられない。現場で総合的に判断した」「警察官はあくまでも現場で適切に判断する」と述べた。
続いて、安倍前首相が札幌三越前で演説した際に原告男性に対応した男性警察官は「選挙カーから3メートルほどの距離で大声でヤジを飛ばしていた」と証言。男性が右手を一度下ろしたのを見て、「前総理らに物を投げつけるなどの危険があると判断し、警告を発する余裕はなかった」と述べた。
男性が手に何も持っていない…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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