3年前の参院選で、札幌市中心部で応援演説をしていた安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばした男女2人が北海道警の警察官に排除された問題。この2人が憲法で保障された「表現の自由」を侵害されたとして、北海道に慰謝料などを求めた訴訟の判決が25日、札幌地裁で言い渡される。同じような体験を持つ人たちや専門家に、この問題が問いかける意味を3回にわたり聞いた。
問題が起きたのは2019年7月15日。安倍氏はJR札幌駅前や繁華街の札幌三越前の街頭で自民党候補者の応援演説をした。原告の2人以外にも、警備にあたる道警警察官に政治的な表現の自由を侵害されたと主張する人がいる。
道警ヤジ排除問題
2019年7月15日、JR札幌駅前で参院選の応援演説をしていた安倍晋三首相(当時)に、「安倍やめろ」と叫んだ男性(34)が、複数の北海道警警察官につかまれて移動させられた。近くで「増税反対」と叫んだ女性(26)も警察官らに排除された。その後、女性は警察官らに1時間以上ついて回られた。男性は札幌三越前でも演説中の安倍氏にヤジを飛ばし、排除された。
その日午後5時半ごろ、富永恵子さん(73)は知人らと三越前に着いた。選挙カーの上で安倍氏が演説していた。
富永さんは脇に、「老後の生活費2000万円貯金できません」と書かれたパネルを抱えていた。無言でパネルを掲げて、抗議の意思を示すつもりだった。車道の近くに立ち、パネルを掲げようとすると、車道側にいた男性警察官が両手を上げてさえぎった。「(パネルを)上げたら危ないですよ」「お守りしますので」と言われた。
富永さんらの背後では数十人…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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