「神の鳥」とも呼ばれる国の特別天然記念物、ライチョウ。長野県の中央アルプス・木曽駒ケ岳(2956メートル)では半世紀前に目撃情報が途絶え、絶滅したとされるこの山域で環境省が進める「復活作戦」では、5年後に100羽の生息を目指す。
拡大する山頂付近に設置されたケージ内で過ごすライチョウの親子=2020年8月1日、杉本康弘撮影
きっかけは2年前、登山者から寄せられた1羽のメスの目撃情報だった。環境省は落ちていた羽根やフンなどを調査し、北アルプス方面から飛来した個体と判断。プロジェクトを指揮する信州大の中村浩志名誉教授(73)によると、木曽駒ケ岳の山頂付近は低いハイマツなどが茂り、生息に適した環境が残されているという。
今年6月上旬、環境省はこのメスが山頂付近で産んだ無精卵と飼育施設の有精卵との交換に成功。5羽のひなが誕生したが、巣付近に現れたサルの群れに驚いた母鳥と離散し、寒さで全滅した。
8月上旬には、約40キロ離れ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル