北海道浜中町の湯沸(とうふつ)岬(霧多布岬)。その沖合に生息するラッコを毎日のように見続けている人がいる。今回、その記録をまとめた本を出版。約100枚の写真からは、ラッコたちの生き生きとした暮らしぶりが見えてくる。
本を出版したのは、海鳥や海洋生物の調査、保護活動などをする「NPO法人エトピリカ基金」の理事長、片岡義広さん(72)。野生の親子ラッコの生態を記録した写真読本のタイトルは「ラッコ 霧多布で生まれたA子の物語」だ。
片岡さんは霧多布岬近くでゲストハウスを30年以上営みながら、毎日のように岬から海洋の鳥や生き物の観察を続けてきた。数頭のラッコを約5年前から見かけるようになり、2017年から本格的に生態の観察を始めた。
岬の沖合に生息する成獣のメス2匹は、18年からそれぞれ3匹ずつ計6匹の子どもを生んだ。ただ死産だったり、生後1、2カ月で不明になったりして、生後6カ月程度まで成長し、親別れするのを確認できたのは2頭だけだった。
今回の写真読本は、母ラッコ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル