私立福岡雙葉中学・高校(福岡市中央区)では4月から、スマートフォンで昼の弁当の予約や注文ができるサービスが始まった。サービスを運営するベンチャー企業との交渉窓口となったのが、生徒会だ。サービスを導入する利点は、どんな献立がふさわしいか、安い値段に抑えることができるか。緻密(ちみつ)な戦略を練って最前線に立った。
お昼休み。3種類の温かい弁当を求め、学校のカフェテリアに生徒たちが列を作る。スマートフォンで選べるスクールランチだ。スマホには毎月の献立が掲示され、気に入った日替わりメニューを選び、前日までに注文する。
列に、前年度まで高校生徒会長を務めた3年の古賀瑞雪(みずき)さん(17)がいた。「おいしそう」「便利になったね」。そんな声を聞き、胸をなで下ろした。
話は昨冬にさかのぼる。
学校広報担当の木之下健一さん(42)から、生徒会に「冬休みの宿題」が出た。「ランチプロジェクト」に向けた、レシピや献立の考案だ。
学校には食堂がない。そのため、自宅から手作り弁当を持参したり、店舗で購入した弁当を用意したりする生徒が多く、毎朝準備する負担や栄養のバランスを気にする声が出ていた。
その課題を解決するような提案が外部からあったのが、昨秋のことだった。
給食のようなサービスがあれば便利かどうか――。木之下さんからの打診に、古賀さんらは喜んだ。
従来であれば、サービスを提案する企業と交渉するのは学校の担当者だ。しかし、谷本昇校長(61)が生徒も参加させることを提案した。「交渉に時間がかかったとしても、学びの機会になる」。生徒会主導のプロジェクトが始まった。
1月に入り、古賀さんら生徒…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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