小川聡仁 高木智也
多い月で175時間を超える時間外労働が原因で、適応障害を発症したとして、兵庫県内でラーメン専門店を運営する「もっこすフーズ」(本部・神戸市灘区)の男性社員(29)が、同社に損害賠償と未払い賃金の支払い計約1735万円を求める訴訟を神戸地裁に起こした。
4日に記者会見した男性は「何も問題解決せず、こういう状態になるまで働かせる会社は殺人未遂に等しい行為だと思う」と訴えた。提訴は7月20日付。
訴状によると、男性は2011年ごろにアルバイトとして雇用され「もっこす石屋川店」(神戸市灘区)で働き始め、19年9月に正社員に。店長に昇格後の昨年1月に適応障害と診断された。翌2月から休職が続き、神戸東労働基準監督署から同年11月に適応障害として労災認定を受けた。
訴えの中で男性は、同店の社員やアルバイトが相次いで辞めて人手不足に陥り、社長からは人件費を抑えるよう指示されたことなどから時間外労働時間が増えたと主張。会長や社長に長時間労働の改善を申し出たが改善されず、心身の健康を損なったとしている。
同社の広報担当者は朝日新聞の取材に対し「今後の裁判があるのでコメントは差し控える」とした。
同社をめぐっては、神戸東労働基準監督署が8月、石屋川店のこの男性とは別の従業員3人を、労使協定で定めた時間を超えて働かせたとして、社長と、法人としての同社を労働基準法違反容疑で書類送検した。(小川聡仁、高木智也)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル