世界的に感染が広がる新型コロナウイルス…。
男性:
「アルコールに弱いって聞いたんでアルコール持ち歩いてます。ご飯前とか、電車とかシュッシュって、みんなでやってます」
日本でも色々な影響が出ていますが、ある店の張り紙が物議を醸しています。
<張り紙の内容>
『中国人旅行客、入店お断り』
1月29日からラーメン店の入り口に、中国人旅行客の入店を断る張り紙が貼られました。従業員や客への感染を防ぐために、「安全宣言」が出されるまで続ける予定とのことですが、街の人は…。
夫:
「そりゃあかん!断ったらいかん!」
その妻:
「主人はダメっていうんです。でもラーメン屋さんの生活もあるんでね」
女性:
「かわいそうな気もするけど、しょうがないような気もするね~これだけ蔓延したら…」
男性:
「例えばお風呂屋さんでも『入れ墨のある方お断り』とか言ってて、その店はこういう営業の方針やから、それでいいんちゃう?」
連れの女性:
「『中国人』っていうのはおかしいかな…。『咳してる人』とか『熱がある人』とか。自己申告にはなりますけど、そういう人はお断りなら分かる」
別の男性:
「すごく難しいジャッジだと思うんですよね…やり過ぎな感じもするし。民間で自己防衛していく必要性が出てきたりとか、しなきゃいけないという方が出てきたりしてもおかしくないと思う」
安全のため、店が特定の人に対して入店を断ることは問題ないのでしょうか?菊地幸夫弁護士に伺います。
Q.実は「中国人旅行客入店お断り」の張り紙には次の様なことも書かれていました。「新型コロナウイルスの日本での拡散を防止するため、しばらくの間中国人旅行客をお断りすることを決めました。感染が収まったら再び皆さまを歓迎します。武漢頑張れ!中国頑張れ!」悪意で排除をしているというわけではなく、店長さんも「従業員や客を守るため」とおっしゃっていますが…?
菊地弁護士:
「店側に“客を選ぶ自由”はありますが、行き過ぎると不法行為となる可能性もあります。
かつて『外国人お断り』というようなお店があって、それが裁判で争われたことがあります。その時注目されたのが、日本政府が承認している人種差別撤廃条約の2条。『締約国はいかなる個人または団体による人種差別も後援・擁護・支持しないことを約束』というもので、国内にも影響力があります。
またもう一つが民法709条。『故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害したものは損害賠償の責任を負う』とあり、この侵害という言葉の中に、条約の中にある『人種差別はダメですよ』という趣旨を読み込んで、解釈します。
そうすると、人種差別という形で他の人の権利を侵害してはいけない。『中国人お断り』という形で、中国人の権利を侵害するのは、人種差別だったらダメですよとなります。
では、今回は人種差別なんでしょうか。『中国人客お断り』だけであれば不法行為となると思われます。しかし、今回は合わせて『感染が収まったら歓迎』という言葉もありましたので難しいジャッジとなります。
人種差別ではなく、身を守るためにやむを得ない…となると微妙な問題です」
(関西テレビ2月5日放送『報道ランナー』内「そこが聞きたい!菊地の法律ジャッジより)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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