リコール団体事務局長に懲役2年求刑 検察「高須氏からの支援目的」

高橋俊成

 2019年の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展に端を発した大村秀章愛知県知事へのリコール署名偽造事件で、地方自治法違反罪に問われたリコール運動団体事務局長の田中孝博被告(62)の公判が9日、名古屋地裁であった。検察側は「民意に基づかない不正な手段で知事の解職をもくろみ、直接民主制への信頼を大きく揺るがした」と述べ、懲役2年を求刑した。

 検察側は論告で、元県議の田中被告は19年の県議選で落選し、将来的に衆院選に立候補する意向があったと指摘。その上で、美容外科院長で運動団体会長の高須克弥氏の名を挙げ、「リコールを成立させることで高須氏の歓心を買い、後援を得ようと考え犯行に及んだ」と動機を述べた。

 この事件では、被告の次男(31)と広告関連会社元社長(41)も共犯の罪に問われ、有罪が確定している。

 検察側は田中被告がリコール成立に必要な約86・7万を超える署名の偽造・収集を計画していたと主張。この2人に指示するなどして、事前に偽造に必要な愛知県内の住民80万人分の名簿データを入手したり、多数のアルバイトを手配して遠く離れた佐賀市内で偽造させたりしたと指摘。「犯行は計画的で大規模。被告はその首謀者で、刑事責任は重大だ」と非難した。

 名古屋地検によると、被告らは20年10月下旬、佐賀市でアルバイトに愛知県内の有権者計71人の氏名を署名簿に書き写させたとされる。(高橋俊成)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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