未着工となっているリニア中央新幹線の静岡工区をめぐり、JR東海の丹羽俊介社長が12日、着工を認めていない静岡県の川勝平太知事と会談し、理解を求めた。着工の遅れですでに2027年の開業は困難な見通しだが、県内の市町が工事に前向きな姿勢を示すなど風向きが変わり始めた。国も関与を強めている。
社長就任のあいさつに訪れた丹羽氏は会談で、静岡工区の着工の遅れの問題を切り出した。
「丁寧に双方向のコミュニケーションを取ることで懸念を解消したい。南アルプストンネル、静岡工区の早期着工にご理解、ご協力をいただきたい」
川勝氏は「科学的、工学的な議論が重要だ」と応じたという。冒頭のみ公開の会談は30分に及んだ。
会談後、川勝氏は記者団に「県の専門部会、国の有識者会議で科学的、工学的に議論している。それがすべてだ」と話し、着工を認めるかどうかは言及を避けた。
丹羽氏は今月1日に社長に就任。トップが代わっても、最大の課題は静岡工区の早期着工であることに変わりはない。
静岡工区は南アルプスを貫くトンネル工事。県内を流れる大井川水系に影響し、河川の流量が減るおそれがあるとして、県側は着工を認めていない。
JRは20年6月までに準備…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル