新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにリモートワークの導入が進んでいますが、この動きは副業にも影響を与えそうです。企業の中にはリモートワークが可能な形で、副業で働く社員を募集するところが出てきています。政府は副業を推進する政策を行っていますが、仮に副業する場合、どの場所で働くのかという部分が大きなカベとなっていました。リモートワークが社会に普及すれば、場所の制約がなくなりますから、副業をする人がさらに増える可能性があります。
人材業界は副業人材の斡旋増える
ライオンは、新規事業の立ち上げを前提に、社外の人材を業務委託という形式で登用します。この契約はリモートワークも可能ということですから、他の企業の社員が在宅でライオンの仕事もこなすこともあり得るわけです。この人材は転職サービス会社が仲介しているそうですが、実は人材業界では昨年あたりから一般的な中途採用に加えて、副業人材の斡旋を行うケースが増えています。ただ、副業の最大の課題となっていたのが場所の問題です。 副業の場合、職種にもよりますが、在宅が可能であったり、週1日程度の出勤でよいという条件が設定されていました。しかし、副業を依頼する企業側がオフィス業務を前提にしていた場合、外部に仕事を依頼するにも限界が生じます。また副業する人も、本業である会社の拘束時間が長いと、やはり仕事に支障が出てくるでしょう。
セキュリティ面のリスクも
しかしながら新型コロナウイルスの影響で、多くの社員がリモートワークに切り替わったことで、状況が大きく変わりました。仕事を発注する方も、副業として仕事を受託する方も、基本的にリモートということになれば、それを前提にタスクの管理が行われます。リモート環境の場合、誰がどの仕事を、いつまでに行うのか明確にする必要がありますが、これが徹底されていると、外部への仕事の発注も容易になります。結果的に副業の人材を雇い入れやすくなるでしょう。 ただ、在宅を前提に広範囲に仕事の外注が行われるようになると、セキュリティ面などのリスクが高まってきます。副業とは直接関係しませんが、自動車大手のホンダは8日、基幹システムにウイルスが侵入し、一時的にすべての社員のメールなどが使えなくなるというトラブルが発生しました。原因はサイバー攻撃とみられていますが、同社ではリモート勤務の社員が多かったことから、一時的に業務が完全にストップするという状況に陥りました。多くのビジネスパーソンが、複数企業の社内システムにアクセスするようになれば、当然、情報漏洩などのリスクが高まってきます。リモートの普及や副業の拡大は不可避ですから、セキュリティ面の強化を急ぐ必要がありそうです。 (The Capital Tribune Japan)
Source : 国内 – Yahoo!ニュース