外出自粛に伴いリモートワークが続く中、ネット上には「社内で気になった人がいてもリモート画面を録画されている可能性もあるので気軽に声をかけられない」「社内でZoom飲み会やったけど、2人で話すことができないから発展は難しいかな」と、「社内恋愛」について言及する人たちもいる。
【映像】社内恋愛アリ?ナシ?米国では“セクハラ対策“で規制も
しかし、欧米では近年、社内恋愛に対する見方が厳しくなっていることをご存知だろうか。例えば米Facebookの場合、同僚の社内恋愛は禁止しないという前提のもと、「会ったことがない同僚をデートに誘ってはいけない」「一度断られた場合は再度誘ってはいけない」、さらに「管轄下にある部下の誰かと恋愛関係を持つ際には人事に報告すること」といった内規を定めているという。
13日の『ABEMA Prime』に出演した人事ジャーナリストの溝上憲文氏は「採用や解雇など人事評価の権限を持っている上司と部下が恋愛関係に陥ると恣意的な評価が発生しやすい、また、そのことを知っている他の社員にも悪影響を与えるので、会社にとっては好ましくないという考え方があると思う。アメリカの場合、3年前に始まったMeToo運動によって、特に上級管理職についてのコンプライアンスが厳しくなった。例えばマクドナルドではセクハラの研修を行ってきたにも関わらず、CEOが問題を起こした。他方、日本企業には終身雇用の“一家的”な雰囲気があり、できれば奥さんも会社の中で見つけてほしいという考えのもと、運動会や芋煮会など様々なことをやってきた。あるいは男性総合職の下に一般職の女性を付けることで出会いの場を作ってきた。今までも暗黙の了解として上司と部下との関係はダメだという意識があったが、内規として規定している企業はないと思う。それでも最近では役員の身体検査をきちんとやろうという方向にはなってきている」と話す。
「ウツワ」代表のハヤカワ五味氏は「私は社内恋愛そのものに反対だ。仮に同僚だったとしても、立場上の上下関係がついてしまった場合は線引きがしづらくなるし、どちらかが“あれはセクハラだった”と言い出せば、その主張が通ってしまう可能性が高くなる。結果、どちらかが異動したり、辞めなきゃいけなくなったりしてしまう。やはり今までは女性が結婚や妊娠・出産するタイミングで退職するという前提があったから成立していたと思う。女性が働き続けることが増えた時代、社内恋愛そのものが難しくなっていくのではないか。友達には社内恋愛をしている人もいるので実際のところ何とも言えないが、例えば部署を離すなど、そういう対応も必要になってくるのかなと思う。その意味では、Facebookのルールは明快でいいと思う」とコメント。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース