コロナ禍でテレワークが普及する中、新入社員の育成をめぐって企業の対応がわかれている。感染対策のためオンラインでの勤務を認める企業がある一方で、出社に戻したところも出ている。
「最近ミスをしてしまって」「1年目はいっぱい失敗したほうがいいよ」
7月上旬、スマホゲームの開発などを手がけるエイチーム(名古屋市中村区)のオフィス。今春に入社したグループの新入社員21人のうちの1人、新宅(しんたく)璃子さん(23)が、先輩社員の成田美月さん(25)に相談していた。
新宅さんは研修を終え、5月にマーケティングなどの部署に配属された。周りの社員に追いつこうと、必死になって仕事を覚えている最中だ。「慣れないことが多くて、先輩にフォローしてもらっています」
エイチームは現在、社員にテレワークを推奨しているが、新入社員は緊急事態宣言中を除いて原則出社としている。人事部の担当者は「会社の雰囲気を肌で感じてもらうとともに、先輩社員とのつながりを大事にしてもらうため」と説明する。
昨年は新入社員にもテレワークを徹底。仕事は回ったが、業務以外で先輩社員と関係を築く機会が乏しかった。先輩の仕事を目で盗んだり、社会人としての所作を身につけたりするのに課題があったという。
新宅さんは「テレワークだと先輩が忙しい時に話しかけてしまったり、他部署の人と接点を持ちづらかったりする。顔をつきあわせて仕事した方がスムーズに進められます」と話す。
主要グループ会社で417人の新入社員が入社した中部電力も、事務職の新入社員は出社を原則としている。地域の営業所に配属される場合が多く、テレワークでは難しい業務があることや、「同僚とコミュニケーションをとりながら、肌で仕事を覚えてほしい」(広報)ことが理由という。
一方、約60人が入社したミ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル