モモが描かれた素朴なパッケージが目を引くアイスバー「もも太郎」。商品名も「もも」なのに、食べるとなぜかイチゴ味。新潟県民が愛してやまない、一風変わった夏の風物詩だ。
もも太郎の源流は約80年前、戦時中の祭りの屋台などで売られていた氷菓子までさかのぼる。モモの形の木型に砕いた氷を詰め、イチゴ味のシロップをかけて固めたもので、食べやすいよう割り箸が挿してあり、「モモタロウ」と呼ばれていた。戦後まもない1946年、冷菓製造・セイヒョー(新潟市北区)が「祭りでなくても食べられるように」と製品化したのが始まり。製造を効率化するため、モモの形までは再現しなかった。
発売当初は無果汁。30年ほど前、改良を進めるなかでリンゴ果汁を試したところ、さっぱり感が出たことから採り入れた。こうして「モモなのにイチゴ味で、イチゴ味なのにリンゴ果汁」という現在のもも太郎が誕生。ほぼ新潟県内だけの流通に限られているが、県外の人からすれば、逆にそれが「一度試してみたい」という欲求をかき立てるようで、近年ではツイッターを始めSNSでの露出も増えている。
氷へのこだわり、135キロを細かく砕く
冷菓事業が売上高の大半を占…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル