リンゴ農園は月面と同じ? 宇宙の技術応用、ロボットで収穫お手伝い

【動画】月面探査車を応用した果物の自動運搬ロボを東北大のベンチャーが開発した=古庄暢撮影

 月面探査車の研究で培った技術を生かし、東北大学発のベンチャー企業が、農業用自動運搬ロボットの開発を進めている。来年度の実用化をめざしており、完成すれば、収穫作業をする人を追いかけ、ボタンを押せば選果場まで運ぶようになり、高齢化と人手不足に悩む農家の「救いの手」になりそうだ。

 収穫したばかりのリンゴを荷台に載せた四輪の運搬ロボットが、ぬかるんだ農園内を人が歩く速度に合わせ、ゆっくりと走る。

 ロボットは人工知能(AI)とカメラを搭載。走行すると、障害物や路面の起伏を認識しながら地図を作製し、次からは障害物を避けてスムーズに走行できるようになる。バッテリーは一度の充電で約6~8時間もち、荷台には最大約80キロ積載できる。

 実証実験が行われたのは9月下旬、青森県弘前市の「小栗山農園」で、この日は、自動走行の前段階としてコントローラーで遠隔操作された2台の試作機が、約5キロのリンゴを載せ、車体のバランスや安全性を確かめた。

 ロボットの開発を進めているのは、仙台市青葉区に本社を置く「輝翠(きすい)TECH」。東北大の「宇宙ロボット研究室」で、月面探査車(ローバー)などの研究をしていたイスラエル出身のタミル・ブルームさん(28)が代表を務める。

 きっかけは3年ほど前。東北…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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