レッサーパンダ守った緻密なお見合い 動物繁殖の岐路は

 日本に初めて動物園ができて、およそ140年。時代の変化とともに、希少動物を野生から連れてくることは難しくなってきた。人々を喜ばせてくれる動物たちを展示し続けるためにはどうしたらよいのか。模索の先にあるのは、動物の「選択」という現実だ。

 この春、1頭のレッサーパンダが千葉県から長野県に運ばれた。市川市動植物園生まれのミルク(メス、2歳)。長野市茶臼山動物園で待つヒビキ(オス、5歳)と繁殖させるための引っ越しだ。

拡大する千葉県の市川市動植物園から長野市茶臼山動物園に引っ越しするレッサーパンダのミルク=2020年3月26日、市川市、恵原弘太郎撮影

 3月31日午前10時過ぎ、中型犬用の運搬ケースに入れたミルクを、迎えに来た茶臼山のワゴン車に積み込んで出発。高速道路のパーキングエリアに止まって様子を確認しながら、午後2時前に新居に着いた。ヒビキの隣の部屋に運び入れた茶臼山動物園の飼育係長、田中宏さんは「落ち着いていますね」と安心した様子だった。うまくいけば、来春には繁殖が望めるという。

【プレミアムA】動物たちはどこへ
日本に動物園ができてまもなく140年。これからも存在していくために、果たすべき役割は何か。情報公開請求して入手した84の公立動物園の資料と取材をもとに、動物園が抱える理想と現実、ひずみに迫ります。

 レッサーパンダは、国際自然保…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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