レース前に出産、出走できず 北海道ばんえい競馬で珍事

 馬が重りをのせた鉄ソリを引いて力とスピードを競う北海道の「ばんえい競馬」で、競走馬が出産したため出走取り消しになる珍事があった。主催する北海道帯広市のばんえい振興課は、「子馬が生まれるまで馬が妊娠していると関係者の誰もが気付かず、みんなびっくりしていた。出産で出走取り消しは、ばんえい競馬で初めて」という。

 出走取り消しになったのは、17日の第1レースに出走予定だったタケノセーイコー(牝(めす)3歳、谷あゆみ厩舎(きゅうしゃ))。16日午前3時ごろ、厩務(きゅうむ)員が馬房に行ったところ、見覚えのない子馬がいたことから妊娠と出産がわかったという。

拡大する馬が鉄のそりをひき、二つの坂の障害を越える「ばんえい競馬」=2019年2月23日、北海道帯広市

 タケノセーイコーは今年8月3日にデビューしたが、障害の坂を越えることが出来ず、競走を中止していた。このときの体重は958キロで、「他の馬と比べても普通の重さ。外見ではまったく分からなかった」(同課)。初産の馬は、妊娠していても腹部の膨らみが小さくて、乳も張らず、妊娠に気付かないこともあるという。タケノセーイコーは引退し、すでに母子ともに厩舎を離れた。

 入厩前の昨年9月、馬主の牧場にいたときに交配したとみられる。父親は不明だ。(中沢滋人)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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