ローマ教皇、なぜ日本に? 若い頃赴任希望した憧れの地

いちからわかる ローマ教皇が38年ぶりに日本に来るんだって?

 Q ローマ教皇が日本に来るらしいね。

 A 23日から3泊4日で訪れる。現在のフランシスコ教皇(82)は2013年の就任後で初来日となる。266代の歴代教皇でみても、38年ぶり2度目だ。

 Q なぜこの時期に?

 A 安倍晋三首相が14年に来日を要請した。フランシスコ教皇はフランシスコ・ザビエルが作ったイエズス会の出身で、日本は若い頃に宣教師として赴任を希望した「あこがれの国」でもあるんだ。アジアは信者が増えている地域で、今回はタイも訪問する。

 Q 日本でのスケジュールは?

 A 被爆地の長崎と広島を訪ね、核兵器廃絶を呼びかけるアピールを出す。東京では天皇陛下や安倍首相と会談するほか、東京電力福島第一原発事故の避難者らとも面会するよ。

 Q 核に関心があるの?

 A 教皇はエネルギーとしての核の利用は否定していない。でも、核兵器や、核の技術を過信して人間や地球環境が取り返しのつかない被害を受けることには警鐘を鳴らしてきた。

 Q 教皇はどうやって選ばれるの?

 A 世界に計約120人いる枢機卿という80歳未満の聖職者から、選挙で選ばれる。約13億人の信者がいるキリスト教の最大宗派、カトリック教会のトップで、「キリストの代理人」とされる。フランシスコ教皇はアルゼンチン人で、初の南米出身者だ。フランシスコは本名ではなく、清貧で知られる12世紀の聖人の名前を受け継いだ。

 Q 影響力はあるの?

 A 教皇はバチカンの国家元首でもあるため、訪問国の首脳と会って直接対話できるんだ。イタリアやブラジルなど、信者の多い国にはカトリック専門の報道機関がある。また、各国メディアも教皇の言動を報じるため、国際社会に与える影響力は大きい。日本での発言が注目されるね。(河原田慎一)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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