ローマ風信長に溶けかけた鏡花、柄澤齊「肖像シリーズ」

 奇妙な夢の中では、現実離れした現象もごく普通のこととして処理される。そんな虚構の中の合理性を再現したいのだと、作家は語る。細密表現を特徴とする木口木版画の第一人者、柄澤齊(からさわひとし)の「肖像シリーズ」50作到達記念の個展が、京都市中京区のギャルリー宮脇で開かれている。

 モーツァルトにボードレール、四谷怪談のお岩さん。モデルには実在した芸術家や文学者のほか、物語や伝説のキャラクターも含まれる。いずれも単なる似姿ではない。時に意表を突く演出とともに、その人物の作品世界や私的なエピソードが具体的なモチーフとして織り込まれている。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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