大阪府南部の泉北ニュータウン(NT)の一角にある大蓮公園(堺市南区)で今月17日、「OHASU FUN フェスタ」と題したイベントが開かれた。地元の住民らがタープを持ち込み、農産物や飲み物、パン、お菓子などを売る店を開いた。訪れた親子連れはクラフト教室に参加したり、買い物や飲食を楽しんだりした。
コロナ禍のいま
コロナ禍を経て、観光や保育、畜産、町工場といった現場がどう変わり、何を望むのか。大阪のいまを取材した。
NTは、堺市と大阪府和泉市にまたがる丘陵地帯を府が開発。1967年から入居が始まった。子育て世帯でにぎわった街も街開きから半世紀以上がたち、全国の多くのニュータウンと同様、建物と住民の高齢化が進む。
堺市が企業を巻き込んだプロジェクトで再生を試みる。民間でも街づくりに参加する若手のグループがコミュニティーを再生させようと、さまざまな取り組みを立ち上げている。
17日にあった「OHASU FUN フェスタ」に関わる、大阪府立大名誉教授(都市計画・緑地学)で、LAまちづくり研究所の増田昇所長(69)は「統計的に若い人の転入が増えている状況にはないが、街づくりを担う人材が豊富になり、いろいろな活動が芽生えてきた。自発的な街づくりに発展していってくれれば」と期待する。そのうえで、政治には「デジタル技術を街づくりに活用するスマートシティー(次世代都市)を政策的に採り入れ、実践して欲しい」と話す。
31日には大蓮公園で35歳以下の若い世代がNTの未来を語り合うイベントが開かれる。イベントに関わる「泉北をつむぐまちとわたしプロジェクト」の辻田拓司さん(27)は「高齢化が進んでいるとも言われるが、若い人たちも加わって街づくりの活動がどんどん盛んになっている」と話す。
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昨年から続くコロナ禍では、NTに支援の手が届きにくい層がいることも浮き彫りになった。
NTの再生に取り組む団体の…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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