一人で手がける寺の公式アカウント 「インスタ坊主」がこだわる信念

 赤、青、緑の鬼が、大たいまつとともに本堂の回廊を歩き回る。奈良県桜井市長谷寺で2月14日、1年の厄よけと無病息災を祈る伝統の火祭り「だだおし」が執り行われた。

 新型コロナウイルスの影響で、参拝客が入れたのは3年ぶりだった。

 だだおしの当日朝、長谷寺の公式インスタグラムに、開催を伝える文章と、鬼の顔を模した鈴の縁起物などの写真がアップされた。

 「本日16時から#だだおしです。#バレンタインのチョコより、だだおし!だだおし!だだおし!」

 投稿したのは、長年「中の人」を務める僧侶の瀧口光記(こうき)さん(41)だ。

 「だだおしだけに、押しの強い投稿ですね」「我が家も実家も姉宅もおまつりさせていただいてます」。投稿からまもなく、数件のコメントが寄せられた。

 長谷寺のインスタには、境内に咲く季節の花の写真や行事のお知らせ、新しい縁起物や書籍販売の告知などがアップされている。瀧口さんが業務の合間を縫い、愛用のデジタルカメラを片手に境内を巡って撮影をしている。

■あげまき結びの動画は5万回再生

 写真だけでなく、動画もアップする。本尊・十一面観音菩薩(ぼさつ)との結縁の証し「五色線(ごしきせん)」を使って、あげまき結びという結び方を紹介する動画は5万1千回も再生された。これを機に、長谷寺を巡ったあとにあげまき結びを学ぶツアーが開かれるなど、反響も大きかった。

 瀧口さんは「新たなお寺の取り組みにもつながり、うれしく思います」と話す。

 民間企業に委託してフォロワーを伸ばす寺もある中、長谷寺のインスタは瀧口さんが撮影から編集までを1人で手がけてきた。開設から順調にフォロワーを伸ばし、現在は4万6千人を超えた。目標は10万人だ。

記事の後半では、瀧口さんがインスタを始めたきっかけや、長く続けるためのコツや、「公式アカウント」へのこだわりを書いています。

 大学生の頃からSNSに関心…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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